ADK クリエイティブ・ワン、KUMO 1616-12G で HD/4K のハイブリット制作環境を構築

1 系統の 12G-SDI で 4K/HDR をスマートにルーティング

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導入先

株式会社 ADK クリエイティブ・ワンは、株式会社アサツー ディ・ケイのプランニング、クリエイティブ、プロモーションと制作プロダクション部門が一つになった広告代理店だ。今回取材した同社グループのポストプロダクション ATELIER ARTE (アトリエ・アルテ) は、テレビ CM 案件を中心に編集に携わり、その他 WEB 広告やサイネージ用のコンテンツ制作など、ADK グループから依頼される広告案件の制作を担当している。

ATELIER ARTE には、6 つの編集室と 2 つの MA ルームが完備されており、プロジェクトや作品に合わせて最新版のAutodesk Flame、Avid Media Composer と MA を組み合わせ、オフライン、オンライン、MA の編集作業をワンストップで提供できるのが特徴だ。

今回は新たに同社のオンライン編集室に 4K HDR 対応システムを組むこととなり、16 系統の 12G-SDI 入力と 16 系統の 12G-SDI 出力を搭載した AJA 社の SDI ルーター製品 KUMO 1616-12G と、その他 12G-SDI 伝送に対応する AJA 12G 製品が導入された。

当初の課題

HD 解像度での編集、仕上げがプロジェクトの大多数を占める同社では、メインの 3G-SDI 環境を生かしつつ、4K対応ワークフローを取り入れることが当初の課題となっていた。

株式会社 ADK クリエイティブ・ワン、アカウントプロデュース本部、ポストプロダクション局、ポストプロダクショングループ ATELIER ARTE エディター 山本剛史 氏は以下のように述べている。

山本氏「当社の案件は約 7 割がテレビ CM の制作依頼なので、これまでは HD コンテンツの編集作業のみを担当していて、4K 対応機材や編集室は完備していませんでした。しかし、急な依頼も含めて今後 4K HDRのプロジェクトが来るだろうと判断し、HD と 4K の両方に対応できるハイブリットな環境構築を機材更新のタイミングで進めることになりました。」

システム構成

システム構成

同社のオンライン編集室では、Autodesk 社のフィニッシングツール Flame でコンポジットやカラーコレクションなどのオンライン編集を行っている。

ビデオ I/O には、AJA の 12G-SDI対応 PCIe 3.0 ビデオカード「KONA 5」が組み込まれ、3 部屋全室で Autodesk Flame の SDI ビデオ出力用に使用されている。

12G-SDI 信号は、ルーティングスイッチャーの「KUMO 1616-12G」を経由。Autodesk Flame と KONA 5 で構成された編集室は 3 部屋あり、Flame 1 と Flame 2 の編集室間の伝送距離を考慮して、BNC ケーブル伝送の 12G-SDI 信号を光ファイバーに変換している。AJA の 12G-SDI → シングルモード LC ファイバーコンバーター「FiDO-T-12G」と、シングルモード LC → 12G-SDI コンバーター「FiDO-R-12G」を経由し、編集室のリファレンスモニターである EIZO 社 ColorEdge PROMINENCE CG3146 へと 12G-SDI × 1 本で接続している。

オンライン編集室だけでなく、同社施設内のすべての編集室 (計 6 部屋) で導入されている 12G-SDI → HDMI 2.0 コンバーター「Hi5-12G」は、12G-SDI 信号を HDMI へと変換し、クライアント向けのテレビへビデオを表示するという流れだ。同製品は 4K/HDR にも対応しているため、クライアント試写用の4K/HDR テレビには最適なソリューション製品と言えるだろう。

12G-SDI 対応製品を導入

12G-SDI 対応製品を導入

Flame でのフィニッシングを 4K/HDR 対応にするべく、2020 年 2 月に編集室の機材更新を実施。4K を 1 本で伝送することで、システムが複雑にならないという点から 12G-SDI でのシステム構成が採用され、信号伝送やルーティングをスムーズにする上記の AJA 12G 対応製品が複数導入された。

4K ソースは AJA の 16 入力 × 16 出力 12G-SDI ルーター「KUMO 1616-12G」に接続されており、信号の一括制御が可能となっている。また同社のマシンルームに設置された AJA の 12G-SDI ルーター用コントロールパネル「KUMO CP」によって、12G-SDI ルーターの入出力信号をボタン操作で制御、すぐに切り替えることができる。

KUMO 1616-12G は、1RU のコンパクトな筐体で、16 系統の 12G-SDI 入力と 16 系統の 12G-SDI 出力を搭載。信号は、12G-SDI/6G-SDI/3G-SDI/1.5G-SDI をサポートしており、非圧縮を含む SMPTE 準拠の規格、あるいは RAW 4K/Ultra HD 信号もサポートしている。

SDI 信号のグループ化機能により、デュアルおよびクアッドリンクのルーティングにも対応できるため、12G-SDI クアッドリンクの 8K だけでなく、6G-SDI デュアル または 3G-SDI クアッドリンクの 4K/Ultra HD を扱うワークフローにも最適だ。サイズと容量のバランスを取らなくてはならないポスト / プロダクション、中継車など、あらゆる映像制作の環境に導入しやすい柔軟な製品だ。

KUMO 1616-12G 操作用のコントロールパネル KUMO CP は、Ethernet 経由で KUMO ルーターと同じネットワークに接続されている。このオプション製品を導入するメリットは、コンピューターを必要とせずに、どこからでもルーターをボタン操作で制御できることだ。1 台の KUMO CP で最大 4 台の KUMO ルーターを操作可能だ。

導入結果

導入結果

KUMO 1616-12G と KUMO CP を組み合わせた 12G-SDI の環境構築により、同社エディターは 12G-SDI 信号を直感的に操作できるようになり、HD/4K どちらのソースの場合もボタン 1 つで制御可能となった。

また、12G-SDI で入力した信号を複数の出力先にルーティングし、分配する機能を KUMO 1616-12G × 1 台で賄うことができるため、ATELIER ARTE が機材更新のコンセプトとして掲げていた『現状のHDでの作業を問題なく行いながらも、すぐに 4K にもスイッチできる環境作り』という点で、同社のニーズに合った環境構築を実現した。

KUMO ルーターを使用することで、これまでの HD 制作環境と同様の操作性で 12G-SDI 信号の受け渡しが可能となっている。

KUMO ルーターが持つ Salvo (一斉送信) 機能を利用すれば、複数のソースを特定の出力先に一斉送信し、スイッチング操作をさらに簡略化させることができる。この機能は、HD/2K と 4K、あるいは 8K など信号フォーマットが混在する環境での運用に最適だ。

KUMO ルーター 1 台につき、最大 8 つの “Salvo” を設定し保存可能。この機能により、あらかじめ設定したソースと送出先をボタンひとつで素早く呼び出せるようになる。

故障率の低さと信頼性

故障率の低さと信頼性

AJA製品採用の決め手には『故障率の低さ』と『保守・修理サービスの充実度』という点も話に上がった。

株式会社 ADK クリエイティブ・ワン、アカウントプロデュース本部、ポストプロダクション局、ポストプロダクショングループ ATELIER ARTE データマネージャー 山田洸介 氏は以下のように述べている。

山田氏「先日 KONA LHi を修理に出しましたが、まだ修理に対応できると回答をもらった時は、本当に驚きました。他メーカ−の場合はすぐに新品の購入を勧められることが多いので…。安定して動かしたいと思って製品を導入している際は、AJA の故障率の低さと、万が一壊れた場合でも保守が長く、修理対応が充実しているのは大変助かっています。」

今後 4K HDR のプロジェクトや制作案件が増えた場合でも、臨機応変に対応していきたいという ATELIER ARTE の制作現場では、今回導入された KUMO 16161-12G のような長く安定して土台を支える、パワフルな製品の活躍が期待されるだろう。

導入製品

導入先

取材先

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メールアドレス : vgi@vgi.co.jp
TEL : 03-6277-1891 / FAX : 03-3447-3900
Web : www.vgi.co.jp

本リリースに関する問い合わせ先

AJA-JP
メールアドレス : announce@aja-jp.com
TEL : 0120-973-562 / FAX : 03-4400-7387
所在地 : 東京都千代田区平河町 1-7-20 COI 平河町ビル 2F

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