AJA のクローズドキャプション対応ソリューション

クローズドキャプション

はじめに
クローズドキャプションとアンシラリーデータの種類
クローズドキャプション対応 AJA 製品

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はじめに

クローズドキャプションは、近年、放送やストリーミングプラットフォームでの番組配信に不可欠な要素となっています。多くの番組やプロジェクトでクローズドキャプションの組み込みを推奨しており、この需要は今後数年間でさらに増加し続けるでしょう。

AJA は、クローズドキャプション (CC) に対応した様々な製品を提供しています。AJA 製品がいかにしてクローズドキャプションワークフローの要求に応えているかをより理解するために、様々な種類のクローズドキャプションを説明する際に使われる一般的な単語を定義します。以下の説明では、AJA 製品と互換性のあるクローズドキャプション、それらの製品で対応している規格について紹介します。

CEA-608*

アメリカ合衆国のアナログ NTSC 放送用クローズドキャプション規格CEA- 608 キャプションは、NTSC 放送規格のライン 21 で動作します。CEA-608 キャプションは任意に調整できません。フォントの大きさと色は固定されています。

*CEA-608 は、一般的に “ライン 21” や “EIA-608” とも呼ばれています。

CEA-708

全世界の ATSC デジタルテレビのためのクローズドキャプション規格です。CEA-708 キャプションは、CEA-608 キャプションの NTSC コンポジット信号のように垂直帰線区間 (VBI) ライン 21 で調整できない代わりに、デジタルデータとして送信されます。

テレテキスト

HD 対応の “OP-47” や SD 対応の “OP-42” としても知られています。これは 50Hz を採用している国で使用されているクローズドキャプション規格です。テレテキストでは、画面の上下に有る垂直帰線区間 (VBI) の領域を用いて文字列と基本的な画像を送信できます。

クローズドキャプションデータの送信だけでなく、遠隔制御の呼び出しが行えるデータのページ付きデータ送信するために使用されます。

注釈 : イギリスとアイルランドでは一般的に、「クローズドキャプション」と「サブタイトル」を区別なく使用しています。

ANC パケット

アンシラリー (ANC) データとは、SDI 信号に埋め込まれたオーディオ、メタデータなどのビデオ以外の情報を指します。アンシラリーデータのパケットは、SDI 信号の水平 (HANC) ブランキング領域または垂直 (VANC) ブランキング領域に存在します。HANC は主に、SDI 信号に非圧縮オーディオデータをエンベッドするために使われます。

VANC は、フィールド毎またはフレーム毎に更新される低帯域のデータ情報をエンベッドするために使用されます。VANC として保存されるメタデータの例としては、クローズドキャプションデータ (CCD) やアクティブフォーマットディスクリプション (AFD) があります。アンシラリーデータパケット構造と種類の詳細は、SMPTE 291M で定義されています。

クローズドキャプションと HDMI

HDMI 信号の中にメタデータとしてクローズドキャプションを埋め込み、送信する方法は公式には存在しません。そのため、どの AJA 製品も SDI や HD-SDI に含まれるクローズドキャプションを HDMI 端子から出力できません。

クローズドキャプション対応の AJA 製品

FS シリーズ製品とクローズドキャプション

AJA は、ラック搭載型のクローズドキャプション対応フレームシンクロナイザーをラインアップしています。FS-Mini と OG-FS-Mini を除くすべての AJA FS 製品は、CEA-608 と CEA-708 間の双方向変換に対応しています。

FS-HDR
FS4
FS2
FS1-X

AJA FS シリーズのクローズドキャプション変換とその他の多くのキャプション変換製品との大きな違いは、FS 製品は CEA-608 から CEA-708 への変換を完全に行える点です。つまり CEA-708 パケットは、すべての HD テレビセットでデコード可能なネイティブシンタックスを使用します。SD から HD への変換を行うコンバーターの一部は、単に CEA-608 を非カプセル化するだけなので、HD テレビとネイティブ CEA-70 シンタックスでデコードする設計をされている機材との間で問題を引き起こす可能性があります。FS シリーズについては、次の点にご留意ください。

全モデル、CEA-608 (ライン 21) と CEA-708 間の双方向変換に対応
全モデル、広範囲の変換時に CEA-608 と CEA-708 をパススルー
FS-HDR は、HDR と SDR 間でキャプションデータを保持したまま双方向変換に対応
全モデル、テレテキスト (OP-42/47) キャプションは、PAL フォーマットと 625i/50 フォーマットをパススルー際に保持
全モデル、アンシラリーパケット経由の CEA-608 キャプションに非対応
全モデル、OP-42 と OP-47 間の変換に非対応
全モデル、OP-42/47 と CEA-608/708 間の変換に非対応
HDMI はクローズドキャプションに対応せずフレームに書き出されないため、全モデル、HDMI 経由でのキャプションデータのキャプチャーや出力に非対応

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BRIDGE LIVE とクローズドキャプション

BRIDGE LIVE は CEA-608 と CEA-708 形式のクローズドキャプションの SDI 入出力に完全対応しています。

BRIDGE LIVE はさらに、 CEA-608/708 データを補足拡張情報 (SEI) として H.264/H.265 ストリームにエンベッドできます。

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HELO Plus とクローズドキャプション

SDI 経由でクローズドキャプションのキャプチャーが行なえます。HELO Plus は、クローズドキャプションを H.264 メディアの中の SEI メッセージに非カプセル化し、ストリーム出力します。ファイルベースのクローズドキャプションワークフローで試用できます。HDMI 経由のクローズドキャプションの入出力および、SDI への出力には対応していません。

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AJA I/O 製品とクローズドキャプション

AJA の KONA シリーズ、Io シリーズ、T-TAP Pro は、クリエイターや SDK 組み込み製品のソフトウェアデベロッパー向けの製品です。AJA Corvid カードシリーズも SDK を利用するソフトウェア開発者向け製品です。

一般のユーザーは、AJA Desktop Software パッケージを AJA.com からダウンロードし、ドライバーを利用して AJA アプリケーションと Adobe Premiere Pro、Apple Final Cut Pro、Avid Media Composer、Telestream Wirecast などのサードパーティ製アプリケーションと統合させます。

SDK 実装とは、AJA NTV2 SDK を利用してビデオ I/O をソフトウェア製品やプロジェクトに追加するための開発者登録です。

これらふたつのモデルの機能にはいくつかの違いがあり、一般向けのサポートは比較的固定されていますが、開発者向けでは必要に応じて実装するためのより多くのオプションがあります。

物理的転送

KONA カードは以下に対応しています。

SDI - 下記経由でキャプションに対応
- SMPTE 291 アンシラリーデータ
- SD ビデオにエンベッドされた「ライン 21」 (PAL/OP-41、NTSC/EIA-608)
HDMI – キャプション非対応 (ビデオ画像で予めレンダリングされたものを除く)
アナログ – SD ビデオにエンベッドされた「ライン 21」 (PAL/OP-41、NTSC/EIA-608) でキャプションに限り対応

ファームウェア機能

標準ビデオラスター
- あらゆる NTV2 デバイスで対応
- SD ビデオにエンベッドされた「ライン 21」 (PAL/OP-41、NTSC/EIA-608) でキャプションに限り対応
トールフレーム – 標準ビデオラスターから拡張された VANC ラインを提供
- あらゆる NTV2 デバイスで対応
- SD、HD、2K で対応 (UltraHD、4K、UltraHD2、8K は非対応)
- VANC で送信されたキャプションに対応 (例 PAL/OP-47、NTSC/CEA608/CEA708、ARIB、TeleText など)
アンシラリーインサーター / エクストラクター – あらゆる SMPTE 291 アンシラリーデータの挿入と抽出に対応
- KONA 5、KONA 4、KONA 1 で対応。KONA LHi、KONA LHe Plus 非対応
- PAL/OP-47、NTSC/CEA-608、NTSC/CEA-708、ARIB、TeleText などを含む VANC でキャプションの転送に対応
- SD ビデオの「ライン21」経由で米国 NTSC (EIA-608) キャプションにも対応
- いくつかの AJA 製品は、最大 UltraHD、4K にも対応

アプリケーション

AJA Control Room

現在のところ NTSC でのみキャプションに対応 (NTV2 SDK として提供)
- CEA-608、608-in-708 に対応
- ネイティブの CEA-708 には非対応
ANC インサーター / エクストラクターファームウェアでのみ使用可能 – トールフレーム非対応
- KONA LHi、KONA LHe Plus はキャプションに非対応

サードパーティ

Avid と Adobe プラグイン
- あらゆる SMPTE-291 (ANC) ベースのキャプションに対応 (キャプションパケットを受信、パススルー)
- Adobe Premiere
  - RAW データが利用可能な場合、708 にネイティブ対応
  - Adobe プラグインでは、Premiere から 708 のフルデータを受け取った場合、そのデータをデバイスにパススルー
- Avid Media Composer
  - アクティブビデオ ANC (ライン 21) や ANC エクストラクター / インサーター (最大 UltraHD/4K) 経由の ANC に対応
Apple Final Cut Pro X
Apple FinalCut Pro

SDK

PAL/OP-41/47、TeleText、ARIB、NTSC などを含む、あらゆる NTV2 対応ハードウェア・ファームウェア間との、あらゆる RAW キャプションデータの入出力に対応
AJA アンシラリーデータライブライーでの NTSC キャプション追加対応
- EIA-608 バイトコードペアを、ANC インサーター / エクストラクターまたは任意のビデオラスターによって取得された SD「ライン21」データにエンコード/デコード
- アンシラリーインサーター / エクストラクターまたはトールフレームラスターによって取得されたアンシラリーデータパケットとの CEA-608 バイトコードペアを入出力
アプリケーションを試用
- NTV2Capture は、あらゆるアンシラリーデータを RAW データファイルにキャプチャーできます。can be configured to capture all ancillary data to a raw data file.
- NTV2Playerは、収録済みの RAW データのアンシラリーデータをプレイバック (挿入) できます。
- NTV2CCGrabber は、入力された NTSC CEA-608 または 608-in-708 (HD) キャプションをデコードし、報告 / 表示します。
- NTV2CCPlayer は、テキストファイルをエンコードして NTSC CEA-608 または 608-in-708 (HD) キャプションとして出力します。
ツール
- NTV2Watcher
  - Anc Inspector – 「ライン 21」 (SD) 、トールフレーム、アンシラリーインサーター / エクストラクターに入出力されるアンシラリーデータを監視
  - CEA-608 Caption Encoder/Decoder ツール
  - Anc Inspector から送信された CEA-608 バイトペアをデコード
  - CEA-608 バイトペア内のキャラクターシーケンスを相互にエンコードし、デバイスのフレームバッファに送信
- AJA Logger
  - SDK キャプションエンコード / デコードに関するすべてのログメッセージの監視と収録

追加 SDK

専用の AJA Closed-Caption Library に対応する Additional NTSC Caption (OEM SDK のみ)
- CEA-608 エンコーダー / デコーダーの全機能
- エンベッドされた 608-in-708 のみに対応する CEA-708 エンコーダー / デコーダーの限定機能
- 高品質な CEA-608 キャプションレンダラー
  - ヨーロッパを含む全地域に対応
  - ユニコード準拠
  - ほとんどの NTV2 フレームバッファジオメトリーとピクセルフォーマットに対応
米国以外のキャプション (Teletext、PAL/OP-41/47、ARIB など) への対応は提供されません

追加説明

608 と 708 間の変換が必要な場合、ソフトウェア開発者が、SDK 専用キャプションライブラリーの 608 - 708 トランスレータークラスを使用して実装する必要があります。
OP41 PAL SD クローズドキャプションエンコーディング / デコーディング機能とレンダリング機能は、 AJA の SDK で実装可能です
OP-42 と OP-47 間の変換は、AJA のハードウェアと SDK で行えますが、変換ソフトウェアは開発パートナーが実装する必要があります
入出力を備えたデバイスの場合、E-E モードでキャプションパススルーに対応していますが、中に含まれる CSC/LUT が問題を起こす可能性があります
キャプションデータは、SDI を介して HDR 信号の伝送時に維持されます

Ki Pro Ultra 12G とクローズドキャプション

SDI を経由してキャプチャーする際、クローズドキャプションも一緒に伝送され、SDI ループ出力から送信されます。キャプションデータは、QuickTime クローズドキャプショントラックとしてエンコードされ、ファイルベースのクローズドキャプションワークフローで使用できます。キャプションデータは VANC として収録され、Ki Pro Ultra 12G からプレイアウトする際に表示されます。

QuickTime CC トラックのみを含み VANC を含まないファイルの場合、QuickTime クローズドキャプショントラックはデコードされ SDI 1 の VANC にエンベッドされ出力されます。HDMI 入出力はクローズドキャプションに対応していません。ProRes ファイルフォーマットの場合、シングルチャンネルモードでのみキャプションに対応します。

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Ki Pro Rack とクローズドキャプション

クローズドキャプションは、VANC として収録されます。その際、QuickTime クローズドキャプショントラックは生成されません。クローズドキャプションには対応しますが、キャプションの再生は Ki Pro Rack で生成されたクリップに対してのみ保証され、その後に変更されたクリップに対しては保証されません。

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