NiTRo、KUMO 3232-12G で 8K 編集室のシンプルなシステム構築を実現

AJA KUMO 3232-12G 導入事例

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導入先

株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズは取材現場や中継、スタジオ撮影、ポストプロダクションなど、映像制作のさまざまな局面で放送のノウハウを提供している ”技術プロダクション” だ。5 台の中継車、あらゆるメディアに対応した取材クルー、45 室の編集室、9 室の MA ルームを運用し、その高度な機材や設備を生かしてドラマやスポーツ、ドキュメンタリー、報道、情報、バラエティなど、あらゆる番組へ技術を提供。放送局の心臓部であるマスターの運行業務や、同社編集室では報道などの生放送にも直接関わっている。

同社では 5 年前より “ひとつの流れの中で両方のフィニッシング” をコンセプトに、全室 4K 対応のスタジオを完備したポストプロダクション ”NiTRo SHIBUYA” をスタートさせた。その高い技術力により、放送局だけでなく幅広いジャンルの 4K 番組でコンテンツの仕上げを担当している。
2018 年 12 月からは 4K8K 実用放送が始まったことで 8K 編集の依頼が増え、2019 年 3 月には、NiTRo SHIBUYA に試写室兼用の 8K 編集室が作られた。

この編集室の 4K/8K 信号をルーティングするために、32 系統の 12G-SDI 入力と 32 系統の 12G-SDI 出力を搭載した AJA 社の SDI ルーター製品 KUMO 3232-12G と、制御用パネル KUMO CP × 3 台が導入されている。

当初の課題

4K の制作経験を積んできた NiTRo SHIBUYA で最も懸念されていたことは、4K と同じスピードで 8K の仕上げを遂行できるのかという点だ。この課題は HD から 4K の取り扱いを始めた時にも直面していて、高精細な番組制作でもストレスを感じることなく、制作作業に取り組める編集室が必要とされた。スピード感が重視されるテレビ番組からの依頼が多い同社では、演出に集中しながらも迅速に編集作業を行える環境が求められる。その結果、8K 編集システムにはスペックの高い機材が導入されることとなった。

システム構成

同社の 8K 編集室では、Blackmagic Design 社のソフトウェア DaVinci Resolve でカラーグレーディングとオンライン編集を行っている。

Panasonic 社製のメモリカード ”P2カード” で 8K 番組を納品する場合は、編集終了後に Colorfront 社の Transkoder で P2 カード × 4 枚にデータを書き出し、最終的には Panasonic 社の 8K レコーダー AJ-ZS0580 で再生チェック、納品という流れだ。

新たに 12G-SDI ルーターを導入

本システムでは、DaVinci Resolve と Transkoder からの 12G-SDI クアッドリンク出力、さらには AJ-ZS0580 の 12G-SDI クアッドリンク入力と出力といった、すべての 8K ソースが AJA の 32 入力 × 32 出力 12G-SDI ルーター「KUMO 3232-12G」に接続されており、信号を一括制御している。8K 編集室の編集卓に設置された AJA の 12G-SDI ルーター用コントロールパネル「KUMO CP」は、ネットワーク接続されており、カラリストやエディターが手元のボタン操作で、マシンルームにある 12G-SDI ルーターの入出力信号をリモート制御するためである。

12G-SDI で入力した信号を複数の出力先にルーティングし、分配する機能を KUMO 3232-12G × 1 台で賄うことができるため、同社の編集室で必要とされていたシンプルなシステム構築を実現した。

新たに 12G-SDI ルーターを導入

販売会社からの勧めで採用が決まった KUMO 3232-12G は、2RU のコンパクトな筐体で、32 系統の 12G-SDI 入力と 32 系統の 12G-SDI 出力を搭載。信号は、12G-SDI/6G-SDI/3G-SDI/1.5G-SDI をサポートしており、非圧縮を含む SMPTE 準拠の規格、あるいは RAW 4K/Ultra HD 信号もサポートしている。

SDI 信号のグループ化機能により、デュアルおよびクアッドリンクのルーティングに対応できるため、上記のような 12G-SDI クアッドリンクの 8K だけでなく、6G-SDI デュアル または 3G-SDI クアッドリンクの 4K/ Ultra HD を扱うワークフローにも最適だ。サイズと容量のバランスを取らなくてはならないポスト / プロダクション、あるいは中継車など、あらゆる映像制作の場に導入しやすい柔軟な製品だ。

KUMO 3232-12G 操作用のコントロールパネル KUMO CP は、Ethernet 経由で KUMO ルーターと同じネットワークに接続されている。このオプション製品を導入するメリットは、コンピューターを必要とせずに、どこからでもルーターをボタン操作で制御できることだ。KUMO CP 1 台で最大 4 台の KUMO ルーターを操作可能だ。

導入結果

KUMO 3232 12G 操作用のコントロールパネル KUMO CP

KUMO 3232-12G と KUMO CP の組み合わせにより、施設内の 12G-SDI 信号の制御を各編集室から製作者が直感的に操作できるようになった。また、複数の 4K/8K ソースをグループ化してボタン 1 つで制御可能となった。結果的に、NiTRo SHIBUYA が 8K ワークフローを構築する上で最も重要視していた『これまでと同様のスピード感で作業できる環境づくり』の操作性という点で、AJA 製品が同社のニーズにぴったりとはまった。

株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ ポスプロ技術センター ポスプロ技術部 担当部長 福田豊 氏は、以下のように述べている。

「8K 編集には高速処理を可能にするマシンと、大容量かつ伝送スピードの速いストレージが必要とされていて、この条件をクリアするために、システムを最適化することが大きな課題でした。今回導入したワークフローは、これまで我々が培ってきた 4K 編集での経験をそのまま活かすことができています。」

KUMO ルーターを使用することで、8K 編集室でもこれまで同様の操作性で 12G-SDI 信号の受け渡しが可能となっている。また KUMO ルーターが持つ Salvo (一斉送信) 機能を利用すれば、複数のソースを特定の出力先に一斉送信し、スイッチング操作をさらに簡略化させることができる。この機能は、HD/2K と 4K、あるいは 8K など信号フォーマットが混在する環境での運用に最適だ。Salvo 機能は設定を保存して、Web UI や AJA の KUMO ルーター用コントロールパネル KUMO CP2 の “Salvo ボタン” から呼び出すことができる。

KUMO ルーター 1 台につき、最大 8 つの “Salvo” を設定し保存可能。この機能により、あらかじめ設定したソースと送出先をボタンひとつで素早く呼び出せるようになる。

NiTRo SHIBUYA では、 AJA の KUMO ルーター以外にも、Transkoder のビデオ I/O にKONA 5 が採用されるなど、いくつかの AJA 製品が導入されている。

福田氏「8K の設備を限られたラックスペースにおさめることに苦労していましたが、KUMO 3232-12G を導入することで、求める仕様をコンパクトに実現することができました。8K はこれからも需要が増すと考えていますので、12G や IP を積極的に導入することで効率的なワークフロー構築を目指していきたいです。」

KUMO 3232-12G について

KUMO 3232-12G ビデオルーターは、スリムでコンパクトな 2RU の筐体で 32 系統の 12G-SDI ビデオ/オーディオ入力と出力を提供します。KUMO 3232-12G は洗練された強力なウェブベースのネットワーク制御を備えており、HD はもちろんのこと、4K/UltraHD を含む 12G-SDI までのいかなる SDI ベースの信号にも対応します。

AJA Video Systems について

1993 年の創業以来、AJA Video Systems 社はプロフェッショナルな放送、ポストプロダクション業界に向けて高品質でコスト効率の高いデジタルビデオ製品を供給する、ビデオインターフェイスや変換ソリューションの大手メーカーです。 AJA 製品の設計・製造はカリフォルニア州グラスバレーにある自社の施設内で行われ、世界中のリセラーやシステム インテグレーターを通じて広範囲なチャネルに販売されています。詳細については、AJA Video Systems 社のウェブサイトをご覧ください。

導入製品

取材協力

株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ
  • 株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ
  • www.nitro.co.jp

本リリースに関する問い合わせ先

AJA-JP
メールアドレス : announce@aja-jp.com
TEL : 0120-973-562 / FAX : 03-4400-7387
所在地 : 東京都千代田区平河町 1-7-20 COI 平河町ビル 2F

トレードマーク付きの会社名や製品名は、それぞれの会社の商標です。

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