IDNS 社、AJA RovoCam で英国 Royal Free Hospital 手術センターのシステムを改善

IDNS 社、AJA RovoCam で英国 Royal Free Hospital 手術センターのシステムを改善

天井に常設するカメラシステムで柔軟なカメラアングルを実現

(2020 年 7 月 28 日) ─ IDNS 社は 30 年以上、英国内の教育、医療、救急サービス、地方自治体、民間事業体などに対し、プロ仕様のビデオ・オーディオシステムの設計と統合を先導してきました。

IDNS は最近、同国の総合大学 University College London (以下: UCL) と病院 Royal Free Hospital NHS からの委託を受け、Charles Wolfson 再建外科センターのビデオ・オーディオシステム開発に携わりました。同センターは、革新的な形成・再建外科技術、高等教育、科学的発見の促進に力を入れている最先端施設です。

IDNS は、外科手術の医学演習を医学教育向けにライブ映像で撮影するために専用のカメラシステムを開発しました。このカメラシステムの心臓部には、AJA の HDBaseT 搭載コンパクトカメラ RovoCam が採用されました。

カメラシステム開発の初期には、カムコーダを持ち運び可能な三脚に取り付け、演習の際にはメインのビデオ・オーディオシステムに接続し、未使用時には撤去する設計が提案されました。このシステム案では、セットアップや故障の際に時間がかかる、機器の汚れと消毒に関する衛生的な問題、限りあるスペースの中で三脚を配置しなければならず、カメラのアングルが悪くなったり視界を遮られたりするなど、使い勝手が悪く、不都合を数多く抱えていました。

床に這わせる配線もリスクが高く、三脚が倒された際に機器が損傷する可能性がありました。さらにカメラの使い方に精通していない外科スタッフが、演習前に正しく機器をセットアップできるかどうかにカメラシステムの性能が左右される問題もありました。

IDNS はクライアントと密に連携しながら初期設計を見直し、天井に常設するカメラシステムを開発しました。このシステムでは、設置作業の必要がなく常に操作可能な状態になっていて、柔軟なカメラアングルも実現しています。

演習の様子を撮影するため、このシステムには手術室内の配線を簡略化できる HDBaseT 接続のコンパクトカメラが必要でした。HDBaseT は非圧縮の HD および UltraHD のビデオ、オーディオ、制御、電力を、一般的なイーサネットケーブルで伝送します。

IDNS 社マネージングディレクター Darren Clayman 氏は以下のように述べています。

「選択肢を検討した結果、RovoCam が最適であると判明しました。RovoCam は軽量かつパワフルな製品で、高性能なズーム機能を備えています。ノイズのない 4K 解像度で手術の細部を大写しで捉えられます。」

システムに導入された RovoCam は、医療水準のマウントが可能な ErgoMount T2 Elite で天井に取り付けられました。ErgoMount T2 Elite は多関節アームを備えているため、最適な位置にカメラを取り付け可能で、外科医の視界を遮る心配もありません。

RovoCam の上部には Manfrotto Spectra2 LED ライトが取り付けられていて適切な色温度で撮影されます。このカメラで捉えられた映像は、4K/UltraHD 本来の解像度を保ったまま HDBaseT 経由で送信されます。これによりオペレーターは、可能な限り本来の見た目に近い映像が得られます。

HDBaseT を介して伝送される RS-232 の制御信号により、RovoCam はハンズフリーで操作が可能です。直感的に操作できる Crestron TSW-760 タッチスクリーンを使って、リモートで制御と設定が行えます。

Clayman 氏は以下のように述べています。

「RS-232 の操作は簡単で、オペレーターは RovoCam の ePTZ と ROI 機能を活用して、手術中にデジタルズーム、パン、チルトの制御が行えます。」

手術中、RovoCam のビデオ、オーディオ、RS-232 信号は、Cat6 ケーブルを経由して、ラックマウントされた HDBaseT レシーバー AJA RovoRx-HDMI に送られています。RovoRx-HDMI は、受信した HDBaseT 信号を HDMI に変換します。

HDMI と RS-232 の両信号は、Crestron 社のプレゼンテーションシステム DMPS3-4K-350-C へと伝送され、スイッチングと信号ルーティングの操作は、TSW-760 のタッチスクリーンより行えます。最終的に映像信号は、各手術室に設置された 2 枚の 75 インチの NEC 社 LED ディスプレイと、医学生の視聴場所に設置されているさまざまなディスプレイモニターに送られています。

映像をアーカイブと編集用にライブストリーミングおよび保存するため、Crestron DMPS3-4K-350-C からは他にも配信 / 収録プラットフォームへ信号が送出されています。

Clayman 氏は以下のように述べています。

「IDNS の最大の使命は、クライアントが持つ可能性を最大限に発揮できるよう、テクノロジーの活用を通して手助けすることです。RovoCam を中心としたオペレーションは、UCL と Royal Free Hospital の連携を支え、医療分野での革新を促進させる、新たな撮影システムだと確信しています。」

AJA RovoCam について

RovoCam は、産業、企業、セキュリティ、プロAV、放送向けに開発された、AJA 社初のコンパクトブロックカメラです。RovoCam の HDBaseT インターフェイスは、4K/UltraHD ビデオの制御、電力、ステレオオーディオ、RS-232 を 1 本の Cat 5e/6 ケーブルで伝送します。AJA RovoRx-HDMI は、HDMI ビデオとオーディオ出力を内蔵し、RovoCam の出力を受信するよう特別に設計された補完的な UltraHD/HD HDBaseT レシーバーです。RovoControl は、AJA の Mac OS および Windows 向け無料ソフトウェアで、RovoCam のシンプルな操作を可能にします。

導入製品

AJA Video Systems について

AJA Video 社はビデオインターフェイス技術や、変換、デジタルビデオレコーディング、プロ用カメラ向けのソリューションを提供する大手メーカーで、1993 年の創業以来、プロフェッショナルな放送、ポストプロダクション業界に向けて高品質で費用対効果の高い製品を供給しています。AJA 製品の設計・製造はカリフォルニア州グラスバレーにある自社の施設内で行われ、世界中のリセラーやシステム インテグレーターを通じて広範囲なチャネルに販売されています。詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。

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当資料は、現地時間 2020 年 7 月 28 日にメーカー発表されたプレスリリースの抄訳版です。

メーカーリリース原文 : https://www.aja.com/news/user-stories/684

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