小林氏と連携する2D/3Dビデオサポートという立場で撮影に関わったのは、2D/3Dビデオサポートを担当したアップサイドの佐々木基成氏とスタジオ DUの池田耕造氏だ。現場では、佐々木氏が小林氏と連携しながら技術的な視差調整の指示を出し、池田氏が実際にQTAKE HDを操作するという形を採った。撮影現場でQTAKE HDは、3Dリグに2台のRED ONEを載せて、視差調整をしていく段階で多用された。撮影は、3Dリグの視差調整をまず最初に行い、役者の演技付けを行う。その動作に基づいて再度3D リグの視差調整を行ってテスト収録。さらに視差調整を追い込んでから本番収録という流れ。各段階での視差調整は、カメラが動くカットごとに再調整を繰り返す必要があるため、通常の撮影時間よりもS3D収録はどうしても時間がかかってしまう。
2D/3Dビデオサポートを担当 アップサイド 佐々木基成氏
撮影時はSYNCジェネレータを通じて左右ののRED ONEを同期させだが、QTAKE HDとは同期を取らなかったそうだ。それでもQTAKE HDで左右の同期ズレはなく、モニターとプレビューをスムースに行うことができたという。池田氏は、編集段階のイメージが伝えやすいと評価する。
今回の撮影でQTAKE HDを
オペレーションした スタジオDU 池田耕造氏 |
佐々木氏は、KONA 3を搭載したQTAKE HDの可能性について次のように話した。 「KONA3が2枚挿入できるようになって、QTAKE HDがS3D収録時のビデオアシストに対応しました。しかし、別の機器から左右の合成素材を入力して、QTAKE HDを使って合成結果をS3Dプレビューすることはできません。それは、1枚のKONA 3が2台のカメラからの入力に使われ、残りの1枚が3D対応モニターへの出力になるためです。結局、2D作品で使う左側のカメラ映像と合成映像を入力して 2Dでプレビューするしかありません。スイッチャーよりはQTAKE HDで抜いた方が精度が高く、同期ズレも生じないので、KONA 3を3枚挿入して左右の合成素材も組み合わせたS3Dプレビューが可能になると、QTAKE HDの可能性はさらに高まりますね」(佐々木氏) 2台のカメラで同時収録するステレオスコピック3Dの収録では、片方の映像が反転してしまうハーフミラーリグを使うことも多い。プレビューのためには映像を反転させて組み合わせる必要がある。そこにはどうしてもフレーム単位のディレイが発生してしまい、左右の映像を同期させてプレビューしにくい状況にあった。今回、AJA KONA3カードが1つのシステムで複数枚を認識できるようになったことで、ステレオスコピック3Dの2系統同時入力・2系統同時出力というワークフローにも対応することができた。 AJA KONA3を2枚使用し、コンパクトにシステムをまとめたQTAKE HDの登場で、これまでビデオスイッチャーやビデオコンバータを組み合わせなければならなかったステレオスコピック3D収録現場を、プレビューしやすく、ディスク収録も可能なワークフローへと変えていくものとなりそうだ。 |