株式会社東京放送 CGルーム

kona_icon.jpg24時間365日、刻一刻と変化し続ける状況を追い続け、テレビを通じて最新の情報を提供し続ける、報道・情報番組。一分一秒でさえ惜しまれるこの現場で求められるのは、いかに素早く効率的に映像素材を完成させ、オンエアーへと送り込むかだ。

東京都赤坂に本社を構える(株)東京放送(以下、TBS)CGルームでは、日々持ち込まれる撮影素材を編集し、より視覚的にわかりやすく伝達するために今や欠かせないものとなった、テロップやイラスト、アニメーションCG制作、合成を行っている。そこで、アプリケーションツールや各種データの選定、開発に携わり、ワークフローの構築検討を行うなど、TBSのCGルームを包括的にサポートしている小林 淳一氏に話を伺った。


 「導入前には複数のシステムで運用比較を行い、その結果、現在のシステムとフローが構築されたんです」(小林氏)

現在CGルームでは、Apple Final Cut ProをHDノンリニアワークフローのベースとし、KONA 3のビデオ入出力を駆使して日々のCG制作が行われている。報道や制作番組では、高い応答性と安定性が何よりも求められるため、導入前には入念に様々なコーデック、システムで運用比較を行い、KONA 3システムの導入に至った。

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小林 淳一氏
(株) 赤坂グラフィックスアート 技術センター兼 制作センターCG部 次長
CG作画プログラム開発や、報道/制作系番組のCG制作に携わった経験を生かし、現在は技術部門と制作部門に跨った形でCGルームの機材計画や運用サポートなどを行っている。


ストレスを感じさせることなくスムーズに流れる運用をKONA 3が支えています

「SD運用が主流だった頃は、非圧縮の品質にこだわった運用形態を取っていましたが、HDノンリニアワークフローを構築するにあたって、システム負荷やコストバランスの面から非圧縮ではなく、ProRes 422(HQ)を利用した運用形態を選定しました」

HDで非圧縮運用を行うには、それに耐えうる高速ストレージとマシンスペックが必要になる。1台のコストが高価になるのはなおさらのこと、複数台で運用するためのシステムを構築するには、さらに莫大な投資が必要になる。HD化が進む中、それと反比例するかの様に導入システムや日々の制作にかけられる予算は縮小されており、現実は厳しい。そこで候補に上がったのが、HDコーデックの中でもフル解像度を持つ、ProRes 422(HQ)だったという。
「ProRes 422(HQ)品質の評価は高かったです。非圧縮を当然としていたCGルームの環境でも違和感なく移行が可能でした」

CGルームでは、持ち込まれた映像素材を単純にビデオ/デジタル化するのはもちろんのこと、編集、制作された様々なCG静止画/動画をテープに書き出して納品形態にしたり、更なる2次加工運用のためにデータの書き出しを行っている。導入前は作業の内容によっては1名のスタッフが複数のシステムを渡り歩く必要があったが、KONA 3導入後、1台のMacに向かった状態で制作から送出までを一貫して行うことが可能になり、作業者にストレスを感じさせることのないスムーズに流れる運用をKONA 3が支えているという。
「KONA 3は様々なコーデックをサポートしているため、利用形態に合わせたコーデックを選択することで、品質や運用の面で安定したシステムの継続稼働が実現できています」


AJA Control Panelの「Presets」を
重宝しています

「CGルームでは、Videoのみを出力する場面とVideo + Keyを同時出力する場面との、2つの場面があります。AJA Control Panel上には様々な設定パラメータがありますが、中でも、2系統ある出力に対してVideoのみを出力するか、Video + Keyを出力するかを設定するパラメータをよく使用します。これらの設定は、一括してPresetsとして保存できるので、編集機には予めこの2つのPresetsを保存してあります。保存されたPresetsは特殊の操作をしなくても、AJA Control Panelのメニューバーからアクセスでき、簡単に設定を切り替えることができるので、頻繁に利用しています。しかも、このPresetsは簡単にバックアップしておけるので、障害対応時の体制作りも容易になりました」

KONA 3のVideo + Key出力を利用したシステム
「FL-α」を開発

TBSは、KONA 3の導入とともにAdobe FlashコンテンツをKONA 3のHD-SDI経由でVideo + Keyに分解して同時出力するシステム「FL-α」を加賀電子(株)と共同で開発し、製品化している。今回の取材では情報バラエティ番組「オビラジR」の収録現場を見せて頂いた。
(オビラジRは2009年3月末で終了。2009年4月よりスタートする新番組でも採用予定)

現場でFL-αを操作しているのは、映像制作業務を専門に行っているスタッフではない。収録前に予め用意されたFlashコンテンツへ収録で使用するテロップに必要なテキストを流し込み、番組の進行にあわせてコンテンツを表示する。表示のON/OFF、アニメーション等、すべての制御はFlashで作成されている。つまりFlashコンテンツを作成できる者がいれば、誰にでも操作可能なテロッパーシステムの構築が可能だという訳だ。

「今までもFlashコンテンツを用いた番組制作は行われていました。でも、それらはスキャンコンバータ等を用いてPC画面をHD-SDI信号に変換しているに過ぎず、Flashコンテンツをカメラ映像と合成する上では様々な制約がありました。例えばFlashコンテンツを表示させる場合、コンテンツの表示エリアをワイプで切るか、レベルキーやクロマキー等を使ってキーイングする方法が考えられますが、前者の場合は表示エリアに制限ができてしまうし、後者の場合もコンテンツのエッジ処理やボケ足等が綺麗に合成されません。部分的に透明度が異なるコンテンツを作る事ができないといったデザイン上の問題もありました」(青木氏)

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写真左:青木 貴則氏
(株) TBSテレビ技術局プロダクション技術センターCG部 所属
現在、TBSで放送中の「オビラジR」にて運用されているFL-αで使用するFlashコンテンツのクリエーターであり、FL-αの開発にも携わっている。

番組スタート時はFlashコンテンツを表示させるのに大変苦労したと語ってくれたのは、現在オビラジRでFlashコンテンツの制作を担当している青木 貴則氏である。
「これらの問題はすべてFL-αで解決されました。ボケやハーフが混ざっているオブジェクトでもFL-αのUnPreMultiplyの機能でVideo側を完全に不透明な描画情報に変換した後、Keyのハーフ値でキーイングするので綺麗に合成ができます」

「FL-αを使えば、コンテンツクリエイターはウェブ上のFlashコンテンツを作るのと同様に、オンエアグラフィックス用のコンテンツを作ることができるんですよ」

この他にも気象CGでは、PhotoshopやIllustratorで作成された静止画ファイルのVideo + Key出力する際にもFL-αを使用しているという。FL-αは、Flashの特徴である、インタラクティブ性とWebとの親和性を簡単に放送コンテンツに融合させるための意欲的なプロダクトである。データベースやFlash Media Serverとの連携も可能であり、まさに次世代の放送を支えるテクノロジーの一端をFL-αとKONA 3が担っていると言えるだろう。


「KONA 3を導入し始めてから1年半ほど連続運用してきていますが、まだ1度も障害に見舞われていません。また、AJA製品には豊富なミニコンバータ製品群があり、CGルームのオーディオ・エンベデッダとしてもAJA製品を選定し、止まることのない運用が支えられています。

今回改めてAJA製品の信頼性の高さに触れ、運用維持コストも抑えられていると感じています。AJA製品は、高い品質/技術に支えられながら、安定性/信頼性を持って運用できる機材として、ユーザにその価値を提供し続け、より一層高めて頂ける機材であると信じています」(小林氏)

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株式会社 東京放送 CGルーム
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システムの概要:
- AJA KONA 3
- AJA K3-Box
- Apple Mac Pro
- Apple Final Cut Studio
- Adobe After Effects
- Adobe Flash
- Adobe Illustrator
- Adobe Photoshop
- FL-α
- Xserve RAID

関連リンク:
(株) 東京放送
FL-α
オビラジR

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